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 ライフルスコープについて・・・DEON

ライフルスコープ

一般的ライフルスコープの情報及び知識は、いろいろなホームページ上で説明されているので、そうしたページを参照していただきたい。
本ページでは、製造する上で重要かつ配慮が必要な、技術的知識を少し掘り下げて記載します。
これらはわれわれの長い製造経験の中で見いだしたものの一部です。

構造的特徴を元に分類すると次のようになります。
 倍率  
   固定倍率ライフルスコープ
   ズーム倍率ライフルスコープ
 
レチクル移動方式
   イメージムーブ
   レチクルムーブ
 
レチクル位置
   第一焦点面レチクル(FFP)
   第二焦点面レチクル(SFP)
 フォーカス調整
   対物アジャスト方式
   サイドフォーカス方式
 ボディーチューブ径
   3/4インチ、7/8インチ、1インチ、30mm、30mm以上の特殊径のもの
 レチクル形状
   クロスヘアー、デュプレックス、ジャーマンポスト、ドット、ミルドット、その他各メーカー毎に特徴を持たせたレチクルが用意されます。


<技術用語>

第一焦点面レチクル、第二焦点面レチクル



対物レンズより入った光線は、まず第一焦点面に倒立像を結びます。 この面にレチクルを置くスコープを、第一焦点面レチクルスコープと呼びます。 更に正立レンズを通り正立像を結ぶのが、第二焦点面です。 この面にレチクルを置くスコープを、第二焦点面レチクルスコープと呼びます。射手がスコープを使用する時、接眼レンズを通してみる標的は第二焦点面の正立像を見ています。 第二焦点面は接眼レンズを移動することにより、射手の視力に合わせた明視距離に設定されなければなリません。(『接眼視度調整』の項参照) 特に第一焦点面レチクルの場合は、低倍率で接眼視度調整を行わないと合わせることは困難です。

第一焦点面レチクルの利点と欠点
対物レンズにより結像した面にレチクルがある為、ズーム時の芯のズレ(『ズーミングによる像の偏差』参照)の影響を受けません (レチクルと像が一緒に動く為)。 また、目盛の付いたレチクルの場合、ズームしても像と一緒にレチクルが拡大縮小される為、目盛の数値は倍率に関係なく使用できます。 反面、レチクルが拡大される為、レチクルの線、文字、ドット等の太さも太くなってしまいます。 3倍比のスコープであれば3倍の太さに、8倍比のスコープであれば低倍時の8倍の太さになります。 使用目的とスコープの特性を理解した上で選択する必要があります。

第二焦点面レチクルの利点と欠点
多くのライフルスコープが採用しているレチクルです。 第二焦点面にレチクルがある為、ズームしてもレチクルの大きさは変わりません。 特に高倍率比のスコープの場合高倍率でもレチクルの太さが変わらない為、精密射撃に向いています。

欠点としては、ズームした時に、ズーム時の芯のズレ(『ズーミングによる像の偏差』参照)の影響を受けることになります。 また、目盛の付いたレチクルの場合、目盛の値は指定された倍率においてのみ有効となります。



倍率
(対物レンズ焦点距離) ÷ (接眼レンズ焦点距離) × (正立倍率) により求められる。
最低倍率は1倍〜最高倍率80倍位のものがあるが、10倍位までが一般狩猟用で、それ以上の倍率のものは競技用、遠距離精密射撃用と言えるかもしれません。 従って高倍率のスコープにはそれなりの付属機能が付くものが多くあります。(2010年弊社より8x-80x56の高倍率スコープを発売しました)
変倍ライフルスコープの倍率比は、3倍比、4倍比の製品が一般的でした。 近年5倍比、6倍比そして2009年には世界で初めて10倍比の高倍率比の製品を弊社が開発し発表しました。
倍率の高いものは、像の鮮明度が悪くなることが一般的です。弊社製品はEDレンズ(低分散ガラス)を採用することにより像の劣化を抑えています。低倍率のスコープは対物レンズの焦点距離が短くなる為、各部品間のクリアランスが大きく影響し、高い部品精度が必要となります。 その意味では低倍率スコープの方が、作る上ではより難しいといえます。 高倍率のスコープは焦点深度が浅くなる為、近距離において微妙な焦点距離調整が必要になります。その特性を逆に利用して焦点を合わせることより、標的までの距離が確認できる為、 近年、高倍率スコープがフィールドターゲット競技やエアーライフル競技に威力を発揮しています。

対物有効径
対物レンズの有効径であり20mm〜56mm程度が一般的
20,22,24,28,32,38,40,42,44,50,56mm等あるが、瞳径との関係で、倍率が高くなるほど対物径が大きくなるのが一般的ですが、これらはレンズの共通化、ボディ材料の共通化等によって選択されているのが実情です。

瞳径
(対物有効径) ÷ (倍率) によって求められる。
ズームライフルスコープの場合、最高倍率では上記計算式通りの瞳径が必要ですが、ズームライフルスコープの構造上、低倍で計算式通りの瞳径を確保するのが不可能な場合があります。

見かけ視界
(倍率) × (実視界)= (見かけ視界)
変倍スコープにおける見かけ視界は通常17度〜20度。  ワイドの場合は23度以上

瞳位置
ライフルスコープの場合、ライフル銃にマウントで取り付けられ使用する為、射撃時の反動で銃及びスコープが跳ね上がり、射撃手の目に当たる危険性があります。 従って接眼レンズ端面より最低75mm以上の瞳位置が要求されます。 (これ以下であるとスコープが目に当たり使用者が怪我をした場合、裁判では勝てない<欠陥商品>;との説がある)
現在は瞳位置を長くする要求が多く、4インチ以上を確保しているものもあります。
瞳位置は、実視界を絞ることにより長くすることは出来ますが、見掛けの視界が小さくなり、ただ実視界を絞って瞳位置を長くしても実用的ではありません。
ライフルスコープは個別の商品ではなく銃の付属品です。 従っていろいろな制約があり、その制約の中で、バランスを見ながらより魅力的な製品に仕立て上げるようにします
なお、ハンドガンスコープの場合、腕を伸ばした位置が瞳位置として必要となります。

ズーミングによる視度の偏差
スコープをズーミングした時、像のピント位置がずれる事があります。正立レンズが移動する時に位置が設計値よりずれてしまうことにより発生しますが、出来る限りズレの起こらないような機構、部品精度、組立精度が要求されます。

ズーミングによる像の偏差
スコープをズーミングした時、レチクルに対し像がずれる現象です。低倍率のスコープほど難しくなります。
これは正立レンズが移動する時、レンズが光軸芯に対してずれる事による現象です。 出来る限りずれないような機構及び部品精度が求められます。 ずれを起こす原因としては、たとえば正立筒の曲がり、正立移動枠とのガタ、正立レンズの芯等です。

接眼視度調整
レチクルに自分の眼を合せる為、接眼レンズを移動できるようになっています。
接眼筒をねじ込んで移動する方式や接眼筒の早ネジ(ヘリコイドネジ)を使用して接眼筒を移動する方式があります。
接眼視度が正確に合っていない場合、標的に焦点を合わせてもレチクルと焦点が合っていない為パララックスが発生します。
正確に接眼視度を調整するには、背景のない明るい壁や空を覗き、目の力を抜いて自然にレチクルが見える位置に接眼を移動します。これは視差(パララックス)を発生させないための重要な調整です。

パララックス(焦点鏡視差)
対物レンズをフォーカスできる機構を有しないスコープの場合、通常、照準距離の調整は100ヤードの距離に合せて固定されます。(ショットガンスコープでは50ヤード)
この位置がずれる事により、100ヤード位置の像がレチクルの位置に焦点を結ばなくなり、パララックス(焦点鏡視差)が発生します。 パララックスがあると、眼の位置を左右にずらした時にレチクルに対して像が振れる現象が起きます。 
一般的に低倍率のスコープは焦点深度が深いので、上記のような距離に焦点が合うように対物レンズを固定しますが、ほぼ12倍以上の高倍率のスコープについては焦点調整機構を採用することが多くなります。
焦点調整装置としては対物レンズを直接動かす対物調整方式と、内部のフォーカスレンズを動かすフォーカス方式(サイドフォーカス方式)があります。

レチクルの倒れ
スコープ弾道補正装置の水平、垂直に対し、レチクルが傾いてセットされた時、レチクルの倒れが生じます。
弾道補正装置を動かした時、レチクルのクロス線が、水平、垂直に動かないことが起こります。

弾着点補正範囲
ライフルスコープの場合、銃に取りつけた時の誤差や銃の癖により、弾着点を合せる必要があると同時に、距離による弾道補正、及び風の条件等により弾着点を補正する必要があります。
調整量は多いほど良いと考えますが、光学設計的な見地から言うと、光軸の中心が最も解像力が高く、光軸の中心から離れるに従い解像は悪くなります。 遠距離射撃等の場合には、スコープ取り付け時にマウントベースにスペーサーを使用する等、出来るだけスコープの光軸中心を使用するようにセットするのが望ましいといえます。また、銃への取り付け時に、スコープが銃の芯に対し、曲がったり傾いたりしないよう注意しながら、スコープマウントのセットとラッピング等の作業が重要といえます。

弾着点補正の1クリックの移動量
弾着点補正装置はコインを用いて回すもの、つまみ部分を指で回すもの、ダイヤル形状を回すもの等があります。
弾着点補正装置にはクリック機構を有しており、回したときの1クリックの値が設定されています。
アメリカ向けは、通常1クリック0.25分が多く、ヨーロッパ向けは、1クリック0.33分(1cm/100m)のスコープが多いようです。
クリック移動量がMOA (Minute of Angle)で表示される場合、1MOAは1分、およそ100ヤードで1インチに相当します。
クリック移動量がMIL (Milli radian)で表示される場合、1MILはおよそ100メートルで10cmに相当します。
MOAを選択するかMILを選択するかは、使用者の好みに帰すところになります。

ライフルスコープ ボディチューブ径
ボディチューブ径 1インチ(φ25.4mm)、及び 30mm。 (初歩的なスコープとしては3/4インチ、7/8インチのスコープもある)
アメリカ仕様は1インチスコープが大半であったが、最近は30mmチューブが増えています。
ヨーロッパ仕様は30mmが多くなっています。
これは、銃にライフルスコープを取り付ける為のマウントに一定の規格があるからです。 これもライフルスコープを作るときの制約の一つと言えます。

マウントエリア
スコープを取り付ける為のマウントエリア(マウントの範囲)は弾着点補正装置の前後に設けています。
使用者の射撃姿勢によるバラツキに対応する為のものです。 数少ないですが、スコープそのものにマウントレールが構成されているものもあります。

イルミレチクル付
レチクルの中心部のみを光らせるタイプや、パターン全体を光らせるタイプ等があり、夕暮れや暗い場所の標的を狙うのに効果を発揮します。光る色は通常赤色が多いのですが、緑色に光るレチクルもあります。 又、赤と緑両方の色に変化するタイプもあります。

耐衝撃性
ライフルスコープでは使用目的から、この性能が最も重要な条件とされます。
前述してきたような様々な性能値も、強い衝撃を受けた後でも変化しない事が求められるからであり、この為に夫々の材質、材料肉厚、構造、各部品のクリアランス等、充分な配慮が必要となります。
銃の種類によってもその衝撃は異なりますが、一般的にライフルスコープの場合98,000m/S2 (1,000G)の衝撃がかかります。 ハンドガンスコープの場合はライフルスコープの場合の1.5倍から2倍の衝撃力がかかります。
ライフルスコープが他の光学製品と基本的に異なる必要条件です。形が似ていても粗悪品と高級品の分かれるところであり、外観からはわからない品質差が発生する重要な項目です。

耐気密性
一般的には気密性は絶対必要条件です。 使用される環境が、厳寒の雪の中であったり、灼熱の砂漠の中であったりするからです。
兎に角悪条件下での使用が当然の事ですから、そうした環境下でも水の浸入は勿論、レンズの曇り等が発生してはならないからです。

耐湿性
内部は、一度真空にした後、乾燥窒素ガス(またはアルゴンガス等)が封入されます。



以上の内容は、一般的なものですが、目的によりその必要条件は様々に変化します。